インタビュー 鎌倉幸子さん シャンティ国際ボランティア会 

 シャンティ国際ボランティア会は、第13回図書館総合展のL-1グランプリ2011において「走る移動図書館プロジェクト」で優勝され、優勝賞品としてフォーラム開催権を獲得されました。そして、翌2012年の第14回図書館総合展では優勝賞品のフォーラム出展と、自主事業としてブースも出展されました。参加者と出展者、両方の立場から図書館総合展の魅力についてシャンティ国際ボランティア会の鎌倉幸子さんにうかがいました。


シャンティ国際ボランティア会 鎌倉幸子さん

まず、図書館総合展に出展しようと思ったきっかけについてお聞かせください。

 シャンティ国際ボランティア会は、教育・文化支援事業を実施していますが、主な活動場所は海外で、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタンといった国で事業を展開しており、図書館事業、学校建設事業、奨学金事業を行なっています。日本で活動するきっかけは、2011年東日本大震災です。被災者支援として東北で活動することとなり、「走れ東北!移動図書館プロジェクト」を実施しています。移動図書館プロジェクトの質を高めるためにも、日本の図書館や企業とネットワークを広げ、アドバイスをいただきたいと考え出展しました。

図書館総合展での印象的な出来事がありましたらお聞かせください。

 2011年(第13回図書館総合展)にL-1グランプリで優勝して、2012年(第14回図書館総合展)にフォーラムを出展しました。2011年は、参加者として図書館総合展に参加したため、ブースやフォーラムの見学を積極的に行いました。2012年は、出展者として昨年の優勝賞品であるフォーラム開催権を活用し、また自主的にブースの出展も行いました。特に、2012年のブース出展では移動図書館車の展示ができ、実際に参加者に見学してもらいながら活動の説明ができたことがよかったと思います。また、移動図書館車は図書館総合展が開かれる横浜に本社のある日産自動車から寄贈されたもので、それを改造して岩手で実際に使っていたので、お披露目する機会ができてよかったと思っています。
あとは、ブース出展のお隣に、みちのく図書館員連合(MULU)の方々が出展されていて図書館体操を教えていただいたり、saveMLAKの方々とお話できたりして、良い出会いがありました。東北関連のブースが集まっていたのですが、現地の図書館や大学と一緒に盛り上がっている良い雰囲気があり楽しかったです。

移動図書館車の展示の様子               移動図書館車内の様子

図書館総合展に出展する上で、気をつけたことや苦労されたことはありますか。

 イベントに出展することには慣れていたので、特に苦労はありませんでした。ディスプレイの見せ方など、ブース出展について、他の団体からアドバイスを求められることもあります。ただ、移動図書館車を会場に入れる際に、どうすれば良いか等の不安な点はありました。移動図書館車は、タイヤの下にベニヤ板を敷いて手で押さなければならないのですが、図書館総合展の会場であるパシフィコ横浜では、その距離が比較的短く、搬入にも協力的だったので特に問題はありませんでした。この搬入の際に、他のブースを設置工事している大工さんに岩手出身の方がいて、移動図書館に「いわてを走る移動図書館プロジェクト」と書いてあるものですから、温かい声をかけていただいたという思い出があります。
 気をつけたことは、人を集める集客の方法として、FacebookやTwitter等のSNSの活用は意識して行いました。事前情報としては、こういうブースを出展しますといったことを小出しにしたり、当日の情報としては、いまはこのスタッフがブースにいます、ぜひ会いに来てください、といったことを随時更新したりします。そうすると、こちらから発信した情報だけでなく、見た人同士で情報交換されたり、スタッフとSNSを通じたコミュニケーションが生まれたりして「行ってみようかな」と思ってくださる方がいるようです。

図書館総合展に出展者として参加されて見方が変わったことはありますか。

 参加者として参加するのと出展者として参加するのとでは、まったく違いました。フォーラムでは時間が限られているので、2011年のL-1グランプリ優勝の際には、会場の都合もあり、他の参加者や、名刺交換させていただいた方々とじっくりお話しできないのが心残りでした。このため、2012年はフォーラムを「攻め」、ブースを「守り」のPR活動として実施しました。フォーラムではこちらからPRし、ブースでは参加者とお話させていただいたり、質問をうけたりしました。図書館総合展の参加者のなかには、フォーラムだけに参加する方も多くおられると思いますので、ブースに来てもらう仕組みを作る必要があると思いました。
 また、他の業界からも参加されている方はたくさんおられると思います。図書館総合展が、図書館に関心はあるがあまり良く知らない潜在顧客層へPRできる場にできれば良いのではと思いました。シャンティ国際ボランティア会は、ボランティアに興味のある層と図書館に興味のある層の両方にPRできます。図書館のことはよく知らない人が、シャンティ国際ボランティア会に行くついでに、他のブースを見て興味を持ってもらえるようになればと思います。というのも、図書館業界全体が盛り上がることが、シャンティ国際ボランティア会のみならず各図書館や企業の盛り上がりにもつながると考えるからです。「本」は出版や電子書籍といった様々な業界をつなげることができますので、料理本の筆者に実演してもらうようなPRの仕方など、もっといろんなところへ打って出ることができるのではと考えています。

図書館総合展に出展して、何か変わったことはありますか。

 まずは、図書館体操が踊れるようになりました(笑)。みちのく図書館員連合会(MULU)の方とお知り合いになれたのは良かったと思います。また、実績としては、図書館総合展の後に募金が集まったことと、図書館とコラボレーションするお話を何件かいただきました。図書館とコラボレーションする、というのは、東日本大震災の写真パネルを展示用にお貸しするといったお話です。また、「図書館を愛してやまない人協会」というのをつくって不定期で集まって、現職の図書館員や図書館関係者の方々とお酒(ソフトドリンクあり)を酌み交わす会を開いています。あまり形式ばった会ではなく、図書館の良さを広めていくにはどうしたらよいか、といった情報・意見交換を行なっています。そこから新しい出会いがあったり、ネットワークが広がったことで、新しいアイディアをもらったりしています。図書館総合展によって、新しい可能性の1ページを開いてもらったと思います。

これから図書館総合展がこうなれば良い、期待することなどはありますか。

 図書館総合展はマーケティングの機会になりえると思います。せっかく図書館の関連企業が一堂に介しているので、図書館用品の使用感レビューなどができれば面白いですし、図書館関係者だけでなく、一般参加者の利用者側からもレビューがあったほうが面白いのでは、と思います。使いにくいとかこれは良いとか、それが企業へのフィードバックにもなりますし、図書館が導入する検討の材料にもなると思います。
 また、図書館総合展は利用者を含めた図書館関係者が集合するので、図書館関係者みんながひとつのテーマについて話し合う場を設けて、図書館業界としてのメッセージを発信してはどうか、と思います。イメージとしては、G8首脳国会議のサミットの京都議定書のようなものです。図書館総合展が、図書館業界のムーブメントを起こせるような成長を果たせば、それが図書館業界全体の成長につながると思います。そのためには、図書館総合展が、図書館業界のHub(ネットワークの結合点)のようなイベントとなり、メッセージを発信していけるような場となれば、と期待しています。

シャンティ国際ボランティア会主催の第14回図書館総合展フォーラム

  • 2012年11月22日(木)13:00-14:30
    いわてを走る移動図書館プロジェクト 活動報告と今後の展望-1年を振り返り、これからの被災地で求められる図書サービスとは http://2012.libraryfair.jp/node/908


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